P.Fドラッカー教授という人
オーストリア・ウィーン出身、「マネジメントの父」「マネジメントを発明した人」と言われています。
大手自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)を研究対象とし、1946年『企業とは何か』を著しました。その研究に際し、幹部との懇談もさることながら、製造現場の観察、現場社員へのヒアリングに多くの時間を割いたと言われています。そのようにして、世に送り出されたその著作は、経営を世界で初めて体系化された、世界最高の経営学の古典、世界最初の経営の教科書と言われています。それまでの文献といえば、いくつかの断片と専門論文があるのみでありました。
そもそも、P.Fドラッカー教授は、まだ、企業や組織のマネジメントに触れる以前の1939年『経済人の終わり』(処女作)を世に送り、ナチスの全体主義批判を展開しました。第二次世界大戦中、その著作を読んだイギリスの首相チャーチルは、これを絶賛し、ノルマンディー上陸作戦の前、イギリス陸軍の幹部候補生全員にプレゼントし、ナチスの全体主義と戦う正統性を訴え、陸軍の兵士達の士気を鼓舞したと言われています。
そして、ドラッカー教授は、後に著す
『マネジメント〜課題、責任、実践』(1973年)にて
「成果をあげる責任あるマネジメントこそ全体主義に代わるものであり、われわれを全体主義から守る唯一の手立てである」
と述べています。
このように、ドラッカー教授の視点、関心は、組織、企業の経営というよりも、社会における組織、企業の使命を問い、マネジメントを人類の幸福を実現するための機関として論じています。
ドラッカー教授の著作は組織、経営に関するものも多く、世界の経営者達の多大な影響を与えたにもかかわらず、ご自身を称して
「私は経営学者ではない、人類社会生態学者である」
と述べています。
そして、マネジメントの中心にいるのは“人”であることを前提に、現代の多元的組織社会の中で、『顧客の創造』『経営管理者のマネジメント』『人と仕事のマネジメント』『目標と自己管理によるマネジメント』『組織マネジメント』等を通じて、人々はいかにして幸福になるのかを我々に教えています。
企業が利益の増殖や組織の維持拡大の為だけ活動しているのであれば、それは社会の癌細胞であることも我々に教えています。
現在、世に溢れる経営論を紐解けば、殆どはドラッカー教授に行き着く、由来であると言われています。つまり、ドラッカー教授の著作、論文すべてが、マネジメントの
基本と原則そのもの
だと私は考えています。
基本と原則であるということは、時代が移り変わっても、時が未来に移っても、ドラッカー教授の著作を元に、思考を重ね、考察を広げていけば、必ず、正しい道が見つかり、組織は正しく成長していく、人々を幸せにできると考えています。
ドラッカー教授は2005年、アメリカのクレアモントの自宅にて老衰のため、95歳にて死去されています。しかし、そこに残されたものは、人類社会における実践の思想、知識として、明るい未来を築く礎になっていくに違いないと私は確信しています。